2017年6月30日金曜日

授業が始まりました! の巻

 本日4回目の授業がありました!
 21日(水)のプログラム初日にあったプレイスメントテスト(組み分け試験)に基づいて、全88人の参加者が8~10人ほどのクラスに分けられました。クラスは大きく分けて、完全初心者向けのElementary、1~数年アラビア語を勉強した人向けのIntermediate、そして、会話および読み書きはほぼできる人向けのAdvancedがあります。そして、この三つのレベルをさらにLow, Mid, Highの三つに分けます。わたしはMid-Intermediate、つまり、中の中のクラスに入りました。

 アマーストではAl Kitaab (文字通り「The Book」)という教科書のPart1を1年間かけて終わらせたのですが、このクラスでは、同じくAl KitaabのPart 2を使います。6週間で半分以上を終わらせるらしい、、、(恐怖)。その教科書がこちら。

Al Kitaabは、アメリカ、ヨーロッパの大学のアラビア語の授業で広く使われている有名な教科書です。しかも、編集者の一人のMahmoud Al-Batal 教授が今回のAUBプログラムのディレクターをしているんですよ!マフムードさん、アラビア語教育の世界ではかなり有名な人らしいです。

そして中はこんな感じ。この教科書には10単元収録されていますが、各単元の一番最初には、30~40の新しい単語のリストがあります。写真は単元1の単語リストです。これを見るとなんとなく私がいるレベルがお分かりになるかと思います。


 さて、習熟度別にクラスを振り分けられたはずなのに、私のクラスにはペラペラとアラビア語を話せる生徒も数人います。私は彼らの言っていることの半分くらいしか分かりません。このようなことが起きるのはなぜでしょうか?
 アラビア語サマープログラム参加者は、大きく二つのグループに分けることができます。一つ目は、アラビア語を完全な外国語として学び始めた人たちです。彼らは、将来学問や仕事に役立てたいと思って、ゼロからアラビア語の習得を目指しています。私もこのグループに属します。二つ目のグループは、アラビア語圏出身者、あるいはその血筋だけど、アメリカやヨーロッパなどアラビア語圏外で育って、その国の言語で教育を受けて来た人たちです。彼らの中には、アラビア語で家庭教育を受けて来た人もいます。
 さて、この事情を考慮すると、私のクラスで起きている不可解な出来事も理解しやすくなります。つまり、一見ペラペラとアラビア語を話している人たちは、家での日常会話は問題ないけど、読み書きがほとんど出来ません。だから、リーディングとライティングしかなかった組み分け試験で、彼らの言語能力は、アラビア語をゼロから始めた私と同等、と判断されたのです。
 移民がとても少なく、かつ、母語と教育を受ける言語が一致している人が大半を占める日本では、なかなかイメージが湧きにくいかもしれません。でもこの二つ目のグループに属している人の中には、自分の母語をきちんと読み書きできないのを悔しく思っている人もいます。切実な悩みだと思います。

 と、いうことで、わたしは10人ほどのクラスメイトと共に、毎日5時間のアラビア語の授業と4時間の宿題をこなしています。新しい単語と文法で頭がパンクしそうですが、プログラムを終えた時の自分の成長した姿を妄想しつつ頑張っています。

 最後に、、、。今回から、毎回の投稿で一つずつアラビア語の言葉をご紹介していきたいと思っています。今日の言葉は、一番大事な「こんにちは」!
!مرحبا   mar-haba!   マルハバ!
(ちなみに上のアラビア文字は右から左に読みますよ)

次回以降もお楽しみに!

2017年6月23日金曜日

AUBキャンパスがすごくきれい! の巻

レバノンって砂漠地帯だと思ってらっしゃる方も多いかと思いますが、実は地中海に面しており、いわゆる地中海性気候と聞いて思い浮かべるギリシャやシチリアと似たような気候なのです。なので、特に海岸沿いにあるベイルートは海風が気持ちいいし、緑もかなり多い!私が現在語学留学中のAmerican University of Beirutもそのように美しい自然に恵まれています。

キャンパス内はとても坂が多く、どこに行くにも急な坂か階段を上り下りしなくてはならないのが難点ですが、坂の上からはとても美しい景色が臨めます。例えばこれ。

ジムとフィールドが海の真ん前!(フィールドの左に建っている黄色っぽい建物がスポーツセンターです)。そして斜面には色鮮やかな花が咲き乱れています。花のピンク、草木の緑、そして海の空の青が一枚に収まったこの写真は、かなりお気に入りです。


そして、キャンパスを一歩出れば、目の前に広がる地中海。湾の対岸の丘に、隙間なく建っている建物も、日本にはなかなか無い風景で素敵です。以前訪れた隣国イスラエルとパレスチナを彷彿させます。
写真の左下に写っている赤い浮具の列ですが、その内側がなんとAUBのプライベートビーチです。まだ行ってはいませんが、せっかくお金を払ったので(ジム代と併せて$85くらいだったかな)、近々行ってみたいと思います。

そして、AUBキャンパスで美しいのは自然だけではありません。建造物にも荘厳な雰囲気を醸し出しているものがいっぱい。今回は正門(メインゲート)をご紹介。
左の写真は門を内側から撮影したもの。夜になるとこうしてライトアップされます。
ちなみに夏のベイルートは日が長く、20時半ごろに完全に暗くなります。

そして、下の写真が正門を前から見た図です。AUBは1866年にダニエル・ブリスという宣教師によって設立されましたが、この門はそのかなり後、1901年に建てられました。ちなみに、ブリスはアマースト大学の卒業生なんですよ(!)で、余談なのですが、この夏日本に一時帰国する直前に、アマースト大学の大同窓会で、1883年卒のクラスの専属バーテンダーとしてアルバイトしていたのですが、そこで「夏はベイルートのAUBっていう大学でアラビア語勉強するんですよ」と飲み物を待っていたおじさんに話したら、なんとその人、ブリスのひ孫(ひひ孫?とりあえず親戚)でした。すごい偶然でびっくりしたし、家族代々アマーストなんだなぁと感心もしました(笑)

AUBのキャンパスは、ベイルートを訪れる観光客に人気のスポットです。皆さんも、もしレバノンに旅行することがあればぜひ立ち寄ってみてください!

2017年6月20日火曜日

ベイルートに到着! の巻

東京での3週間はあっという間に過ぎ、いよいよアラビア語の語学研修のためにレバノンのベイルートへと旅立つ日がやって来ました。久々の帰国に合わせて、美味しいご飯をたくさん作ってくれた母や、忙しい間をぬって会ってくれた友人たちに感謝です。

さて、東京からベイルートへの行き方ですが、羽田出発、カタールのドーハで乗り継ぎ、ベイルートへ、というルートでした。羽田からドーハへは約11時間、そしてドーハからベイルートへは約4時間かかりました。

いや、ドーハのハマド国際空港の大きさ、美しさたるや、、、まるで近未来に来たかのような雰囲気。横長の空港の真ん中にはスケルトンの電車が突っ走り、免税店もかなり贅沢にスペースを取ったつくり。そして、飛び立った機内から眺める、海上に浮かぶ高級リゾートもまた呆気に取られる大きさ。
写真に写っているのは、ほんの一部です。一翼、と言うべきなのかな?機会とお金があればぜひとも上陸してみたい、、、


対して、最終目的地ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港は、古めで暗めな感じ(笑)ドーハ空港を見たあとだとどうしても迫力に欠ける感じは否めませんでした。しかし、心配だった入国審査も、ラゲージクレイムもさっさと終わり(トランジットがあると、いつも荷物を失くされないか不安になります←失礼)、飛行機を降りてから20分ほどでAUBが手配してくれたタクシーに乗っていました。

このタクシーサービス本当にありがたかった、、、。街中のタクシーはけっこうぼったくるみたいで、特にローカル事情も言語も分からない観光客は足元を見られてかなり高額を要求されるそう。いくらアラビア語の授業で「こんにちは、どこまで?」「こんにちは、まずはメーターを作動してください」っていうタクシードライバー&タクシー客のRPGをやったっていっても、実際どこまで役立つのか、、、(はい、実際にこのロールプレイはかなり反復させられました。よっぽど重要なんですね。)

というわけで、空港から約20分ほどでAUBのキャンパスに。空港近くの道路沿いには、かなり古くて今にも壊れそうな建物が多く、スラム街のような雰囲気。ベイルートって発展した大都市って聞いてたけど実はそうでもないのかな?と思っていたら、一つトンネルを抜けた瞬間、とても美しい石造りの建物や、近未来的デザインのビルが立ち並ぶ風景が広がっていました。海もとても近くに見えて、「あー、これが写真で見たリゾート地だ」と。しかし同時に、これだけ極貧の(ように見える)地区と、高級リゾート地が近距離に共存しているあたりが、以前訪ねたバンコクやニューデリーのような、急速に発展した都市との共通点だなあとも思いました。


AUBのキャンパスも、その高級なほうにありました。今回、8月10日までお世話になる寮は、New Women's Dormという女子寮。アマースト大学では性別で寮を分けることはないので新鮮だなと思いつつ、受付のおばさまに鍵をもらい、部屋へ。部屋の広さや造りは質素な感じだけど、まあまあ清潔だし、窓も大きいからよいかな!ベッドルームを二人でシェアするはずですが、ルームメイトはまだ到着していません。バス、トイレは4人で共有です。

プログラム初日は明後日の21日。明日は、東京にいる間全くしていなかったアラビア語の復習や、食料の買い物などしようかな。米ドルをレバノンポンドにも替えなきゃ!一番不安だったトラベルの部分が終わって、急にわくわくして来ました。

2017年6月9日金曜日

夏はレバノンでアラビア語を学びます の巻

お久しぶりです。あっという間に二学期目が終わり、夏休みに突入しました。春学期、一度もブログ更新しなかった、、、すごく反省。アマーストでの生活に慣れたこともあってか、編入直後は「こりゃ投稿しなきゃ」と思ったことも、あまりアンテナに引っかからなくなっていました。
夏休みは、アマーストでの一年目を振り返って咀嚼する時間もあり、新しい経験もするので、ぜひ活発にブログを更新したい、、、!

と、いうことで、この夏、私はベイルート(レバノンの首都)にあるAmerican University of Beirutにおける、6週間のアラビア語集中講座に参加します。(プログラム詳細はこちら)。
レバノンは、シリアとイスラエル、そして地中海に囲まれた小さな中東の国です。アラブ諸国の中ではキリスト教徒が多い国で(約40%)、大統領、首相、国民議会議長のポストを三宗派(キリスト教徒、イスラム教スンナ派、イスラム教シーア派)で分割することは不文法となっていることで有名です(比較政治を勉強している人の中では笑)。
「レバノン地図」の画像検索結果
青く塗られた小さな国がレバノン。ベイルートは地中海に面しています。

首都ベイルートは、中東のパリとの異名を持つほど、発展した綺麗な街で、西欧人のリゾート地として、イスラエルの首都テルアビブと共に人気を博しています。


ベイルートの街

私が参加するプログラムがどのようなスケジュールで授業(修行?)を行うかはまだ分からないのですが、初日に行われる習熟度確認試験のスコアによってクラスを振り分けられ、6週間で1学期分の教材をこなします。私はアマーストで1年間アラビア語を学んだので、ビギナーかその一つ上のクラスかな~と予想しています。
アマースト大学は、このプログラムに毎年二人の生徒を奨学生として送っており、私も正月休み中にせっせと書いた志望動機書が認められ、今年の奨学生に選ばれた次第です。学費、寮費、航空券代、食費など、全部で$9,000~10,000ほどかかりますが、そのうちアマーストの卒業生が立ち上げた財団により、$7,000がカバーされるので、自己負担は航空券の値段によって20~30万円ほど。奨学金が頂けるのはありがたいなあと思いつつも、やはり教育を受けるのはお金がかかる、と痛感しました。

2017年6月9日現在、サウジアラビアをはじめ6か国がカタールと国交断絶を行うなど、中東情勢は混迷を極めていますが、せっかく得た機会なのでしっかり勉強してきたいと思っています。現地に着いてからは、ベイルートの街や留学先大学の雰囲気、プログラムの様子をご報告したいと思いますので、お楽しみに。