そのうちの一つが、今回紹介する、Ancient Political Thought (古代、もしくは古典的政治思想)の授業である。
名前の通り、古代ギリシャに始まる政治思想を学んでいく。扱う文献の著者の中で一番最近の人物はアウグスティヌス(西暦430年没)なので、本当に古いやつです。笑。
(ハンナ・アーレントのテキストを少しだけ読むけど、参考なのでカウントしない)
写真は、この授業で読んでいくテキストの一部だ。これ以外にもPDFがバンバン送られてくるので、読むものが尽きることはない。
まだ3回しか授業をやってないので、自分の学んだことや考えたことを文字にしてブログに載せられるようになるまでは、まだしばらく時間がかかりそうだ。なので、授業がどういう風に構成されているか、少し紹介したいと思う。
シラバスによれば、この授業は二部構成である。
はじめの二か月間は、第一部:The Question of Democracyに取り組む。読むのは、プラトンの『国家』と、アリストテレスの『政治学』、そして最後にハンナ・アーレントを少しだけ。
私の予想では、そもそも民主主義とはなんなのか、何がこの政治体制に正統性をもたせるのか、もとの理想はどんなもので、それは現在にも生きているのか、「民」とは誰のことを指すのか、民主主義のネガティブな側面は何か、というような問いを考えていくのだと思う(今後、私の予想が大幅に外れたらちゃんと訂正します笑)。
後半の第二部のタイトルは、The Concept of Universalであり、キケロの『国家』、ヨハネによる福音書、ローマ人への手紙、アウグスティヌスの『神の国』を読んでいく。"Universe"には、宇宙、万物、全人類、普遍、など、さまざまな意味がある。だからこそ、"concept"、つまり概念そのものについて学んでいくのだろう。シラバスには、愛とは、法とは、人と神との関係とは、普遍主義とは、というタイトルの授業が並んでいる。
神学的なテキストをどうやって政治思想として読んでいくのか、今からわくわくが止まらない←
で、今のところ、私がこの授業で一番気に入っていること。それは、授業が行われる教室である。
「はぁーそんなことかい」と思われるかもしれないが、見てくださいこの写真。
ワインレッドの絨毯に木製のテーブルとイス。真っ白の壁と高い天井。二階ギャラリーに続く螺旋階段。
教室に入っただけで哲学者になれる気がする。笑。
Octagon(オクタゴン)と呼ばれるこの建物は、外から見ると、名前通り、八角柱の形状をしている。この建物には、写真の教室一つしかない(たぶん)。
ここで教えられているのは、主に歴史学や哲学などの人文科学系で、政治思想は政治科学の中でもかなり人文寄りなので、ここになったのだと思う。
エアコンがないためすごく蒸し暑いのが玉にキズだが、あと二週間ほどで気温も下がって気持ちよく学べるだろう。
教室の雰囲気って、小さいことだけど、生徒を「その気」にさせる結構大事な要素だと思う。
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