2016年9月11日日曜日

アカデミックアドバイジングの質がすばらしい の巻

授業1週目で、既にリーディングアサインメント(授業までに読んでくる文章)の量に眩暈がしている。が、これは前回の留学(*)で慣れていることだし、予習しないと授業に行っても意味がないので、文句を言っている暇があったら読もう!と自分を奮い立たせている。


 さて、以前の投稿にも書いたように、アマースト大学では「オープンカリキュラム」といって、どんな授業でも履修することが出来る。が、全く制限がないわけではない。「メジャー要件」と、一学期に履修できる授業の少なさである。
 「メジャー要件」とは、卒業までに自分のメジャー(専攻)の授業をいくつ以上履修しなければいけない、という条件である。必要単位数は、すべてのメジャーに共通ではなく、各メジャーのデパートメントがそれぞれ定める。例えば、私が専攻するPolitical Science(政治科学)は、卒業までに12個の政治科学分野の授業を履修しなければならない。卒業までの全授業数は32(1年に8授業×4年間) なので、1/3弱は政治科学の授業で埋まることになる。

 1学期に4授業とは、ずいぶん少ないなあと思われるかもしれない。私もICUでは1学期に5~6の授業を受けていたので(しかも3期制で!)、アマースト大学の履修授業数の少なさには違和感を覚えた。しかし、一旦授業が始まれば、すぐに納得がいく。授業外での自主勉強への期待がとても大きいのだ。しかもクラブ活動もめちゃくちゃ活発なのことを考えると、4授業でも息が切れる。


 話がそれてしまったが、私が言いたいのは、「授業選択が著しく自由な分、計画的に学ぶ責任も伴う」ということである。それをアシストするために、「アカデミックアドバイジング」制度が存在する。

 生徒一人ひとりに、担当教授(アカデミックアドバイザー)がついて、履修計画や将来の進路、インターンシップ、課外活動まで、色々な相談にのってくれる。授業登録の前には、アドバイザーと会って授業選択について話し合うことが義務付けられている。しかも45分間も。これを経ないと、授業登録ができないシステムになっている。
 このセッションでは、メジャー要件の確認をはじめとして、その学期のみならず、卒業までの包括的な履修計画について話し合う。アドバイザーと話す過程で、生徒は「自分はどんなトピックに興味があるんだろう?」「自分はこのメジャーにする!と決めてかかっているけど、本当にそれは自分が学びたいことなのかな?」と何度も問い直し、考えを深めることで、確信を持って学びを進めることができる。
 まとめると、アカデミックアドバイザーは、生徒が自分の目標を明確にして、そこに行き着くための道筋を可視化するための、カウンセラー兼コンサルタントである。


↓私のアドバイザーのオフィスが入ってるCooper House

 
私のアドバイザーは、つい最近シカゴ大学から移ってきた、哲学・宗教学の教授であるが、たっぷり30分間は私の身の上話に付き合ってくれたあと、編入生の卒業要件をググって教えてくれた(本当は自分で調べるものなのだが)。
そしてアラビア語を学ぼうとする姿勢をこれでもかというくらいほめちぎり、政治科学を学び続けるなら今一度ギリシャ政治哲学をやりなおすことを強く勧めてくれた。セッションの終わる二分前、理論的な授業と経験的な授業の両方を履修する私のセンスの良さに太鼓判を押してくれたころには、この学期が知的興奮に満ちた素晴らしい4ヶ月になる確信しかなかった。
 なにごとも、自分が今やっていることは必ず意味があるんだ!と自信を持って取り組むのは、とても重要な気がします。


 アドバイザーとアドバイジー(生徒)は、学期中に何度でも会って話し合うことが奨励されており、授業についてちょっとでも不安なことがあったら、「先生~助けて~!」とすがることができる。
 アマースト大学には、アドバイザー以外にも「すがるアテ」がたくさんあるのが素晴らしい。それらについても、また追い追い紹介していきます。
 





*前回の留学:ICU在学中(2014年8月~2015年5月)にペンシルベニア大学に交換留学していました。生徒数も1万人以上、大学病院(獣医も!)やビジネススクール(Wharton Business School)もある総合大学で、アマーストとはかなり性格の違うところだった。一応アカデミックアドバイザーはいたものの、相談は義務ではなかったし、周りにもアドバイジング制度を積極的に利用している生徒はあまりいなかった。あ、でも、とてもいい大学ですよ、本当に!Ivy Leagueの一つだし!笑

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